読み手の思考にあった文章

ペパチェさんの「Think Think Think(思考と文章)」の研究会に参加することにした。すごく面白そうだ。自分もできる限り何らかのお役に立てるように頑張りたい。

さて、チームの趣旨とは直接関係ないかもしれないけど、「思考と文章」という言葉を聞いて私が真っ先に思い浮かぶのは、文章を書くときは自分の思考パターンではなく相手の思考パターンにあわせるべきだ、ということだ。

以前、あるかたの自費出版のお手伝いをしたことがある。そのときの出版社様の話で、「自分が書いた文章について第三者の意見を聞こうとする人は、レベルの高い文章を書く人だ。本当に文章力のない人は、自分の文章が一番だと思っている」というのがあった。自分以外の人の思考パターンに合わせる気持ちのある人は、レベルの高い文章を書ける可能性がある、ということなのだろう。

人間にどのような思考パターンがあり、その思考パターンに合った文章はどんなものなのか考えるのも面白そうだ。読み手にあわせて文章をかえる必要はない、という考え方もあるけど、私は、「読み手に合わせて変えるべき」派だ。ターゲットを決めて、その人達にあった文章を書くことで、より読みやすくなる。

さて、中小企業診断士の場合、出資者に見せる事業計画書とか、経営者に提案するための報告書を書くケースも多いと思う。この場合は、相手の思考パターンとか興味に合わせて文章を組み立てないと、相手が読んでくれないだけでなく、こっちのクビが飛ぶ。

たとえば、出資者の興味は、「勝てるか、できるか、儲かるか」しかも「すぐに儲かるか」だと聞いた。(「事業計画書の読み方と書き方がよ〜くわかる本」松本英博 秀和システム「リスク(ブレ)はどのくらいでリターンはどれくらいか」といった思考パターンだ。

だとすれば、事業計画書の文章は、「勝てる、できる、儲かる、リスクは○○でリターンは○○」ということをいかに伝えることができるか、ということになってくる。他社製品との違いや、社内の体制、利益のでるしくみ等を、具体的な語を使い、形容詞は数値化し、因果関係や目的手段の関係を明確にしながら書く。口で言うのは簡単だけど難しそうだ。でも、曖昧なところがあると出資者は不安を感じるに違いないから明確に書くべきだと思う。また、短時間で目を通してもらうためには、図表は必要だろう。

報告書の場合は、相手は経営者だ。経営者の興味はさまざまだが、基本的には、出資者と似ている気がする。ただ、「具体的にどうすればよいのか」「すぐに実行可能か」「それは○○向上につながるか」などがより重視されそうだ。「○○を向上させたい(もしくは解決したい)、どうしたらいいか」の思考パターンだ。

したがって、それを文章にすると、「○○を向上するためには、○○する必要がある、具体的には○○を行なう。」などとなりそうだ。これは、二次試験の文体と似ている。二次試験というのは報告書の文章が書けるかどうかのチェックもやっているんだな・・・。←なにをいまさら、と言われそうだが。。。

                      • -

将来的には、各分野の専門家のかたがたと協力して企業をご支援していきたいです。そのうちに、ちゃんとした自己紹介を準備するつもりですが、とりあえずの自己紹介はこちらです。→自己紹介 意見交換についての考え 

中小企業診断士受験生と中小企業診断士のためのポータルサイト 502教室へのリンク