診断士受験勉強の意味1(一次試験編)

自分のやっていることの意味を知る、というのはモチベーションアップに効果がある。私は昔から、目的や意味がないと努力できないタチだった。診断士試験の受験勉強を始めたころ、一次試験勉強の意味も二次試験勉強の意味もよく分からなかった。意味が分からないとなかなか真面目に知識を得ようという気が起こらない。

意味を考えるきっかけになったときのことについて、書いてみる。受験勉強中のかたのモチベーションアップになるかどうか分からないけど、とりあえず・・・。

★このエントリーは、きたない表現が含まれています。お食事中のかたや、診断士試験勉強に関心のないかたは、不快に感じる恐れがあります。★

二次試験の勉強をしていたある日、ある駅のホームへと階段を下りながら、十年前のことをふと、思い出した。

十年前、終電間際、駅のホームに下りていくと、ホームの壁際のところにかなり広範囲に吐しゃ物がひろがっており、その前で男性がうつむき加減に立っていた。「また酔っ払いが・・・」と思ったが、変なことに気づいた。男性の表情が、分析するような、考えるような、観察するような表情なのだ。しかも、位置関係から考えて、この人がもどしたとは、思えない。この人は、何を観察して何を考えているのだ?そこに電車がきたので、私はさっさと乗ってしまった。「医者かな?」と思った。あとから考えると、私のほうこそ酔っ払っていたのだ。

何日かたって、おなじホームに下りたとき、気づいた。あのとき、男性が立っていたところの向かい側の壁の下のほうには時刻表がはられていた。あのときの男性は、時刻表と乗り換え案内を見ていたのだ。終電間際、どうやって帰るか、を考えていたのだ。しかし、時刻表の前が汚れてて、それ以上近づけなかったのだ。それで、目をほそめて、なにかを観察するような表情をしていたのだ。

二次試験風にいえば、時刻表の設置数や設置方法の方向性でこの問題?を考えれば、点がもらえる可能性がある。一方、「男性は医者に違いない」なんていう方向性で考えたら、間違いなく0点になる。

この二つの違いは何かというと、駅のどこに時刻表があるかを知っていたかどうか、である。時刻表の位置と男性の位置が正確に把握できていれば、その男性のおかれている状況や、問題点が理解できる。

一次試験勉強の意味がおぼろげに分かった気がした。一次試験の勉強をすることで、個々の企業の置かれた状況や社長の気持ちが推測でき、見当違いの方向で答える恐れが減少する。駅の時刻表の場所みたいな、一見どうでもいいような瑣末な知識のように見えても、状況の推測に必要になる場合がある。だから、一次試験の勉強は、二次試験に進んでも終わらない。診断士になっても終わらない。問題の本質を知る上で必要なのだ。先日、実務補習を経験して思った。一次試験で出題されるような広い範囲の知識が豊富な人は、実際の診断も迅速で正確だ。私は、一次試験の知識を補充していかなければならないと思う。知識がないと方向性を間違う。

ところで話は受験勉強とは全く異なるが、診断士の仕事は何かというと、私が想像するに(まだ見習い中だから)、上の二次試験風の解答をすることだけではない。たぶん「吐しゃ物を掃除しながら、時刻表の置き方を提案すること」だ。役に立つ方策を提示するだけではなく、実際にすぐに目に見える結果を出して経営者に示すことが必要になるのではないかと思う。十年間、中小企業の経営者のかたがたと接していると、そう思う。目に見える結果はどんなに小さくてもいい、とにかく何か目に見えて解決すれば信じてもらえる。信じてもらえれば、話は聞いてもらえる。目に見える結果がないと、「口先だけで何を言っている」といわれる。

さて、私のこれからやろうとしている仕事は、誤解とか勘違いの防止策の提案だ。たとえば、クレームの中には、いいがかりもあれば、単にむしゃくしゃしていて誰かにあたりちらしたい人やらもいる、その人たちが言い争いをする中で、本当に意見を言いたい人を探し出し、根本的な対策を、経営者のかたと一緒に考えていく。うっかり「貰い○○」して誰かにあたりちらさないように、気をつけなければ。

しかし、こんな連日のようにヨッパライネタばかり書いてたら、毎日のように酔っ払って駅のベンチで寝ているように見えるな・・・。
二次筆記は私にとって大きすぎるネタなので、次回にでも少しずつ書きます。

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企業における、誤解、エラー、表現の問題を扱っていきたいです。また、私の手に負えない案件を引き受けてくださるかたを探すため、勉強中です。自己紹介はこちらです。どうぞよろしくお願いします。