コンサルタントという仕事と、誤字

私は、言葉の仕事をしていたわりには、誤字やタイプミスに無頓着だ。他の人の誤字はもちろん、自分のタイプミスやら誤字やらにも、結構いいかげんだったりする。これはこれで理由があるのだが、『中小企業診断士ペパチェの議』「想像力と恐怖心と好奇心と」20090105 を読んで、反省した。

私は、普段は、「言葉はしょせん道具なので、誤解を減少させる方向で使うならば、間違っていてもかまわないし、むしろ、間違ったほうがそのときの気持ちが伝わるなら、わざと間違えるのもアリ」「時間がない中で間違えるのはある程度しかたがないこともある」という、不謹慎な考えをもっている。ブログ記事とかで、誤字とかを見ると、あ〜、忙しそうだ、と思うが、それだけだ。また、日常の書類とかでも、効率を優先して、結構、スルーしてしまったりする。

しかし、こと、コンサルタントの報告書となると、話は異なる。誤字やタイプミスは、重大な意味をもつ。誤字は、そのコンサルタントの実力が過小評価される原因になる。実力がありながら、誤字ごときで誤解されてはつまらない。
(ペパチェさんのエントリーは、もっと深い意味で、誤字とコンサルの心構えについて書かれているけど、私は、あえて、「誤解」という観点から述べる。それが、この弊「誤解ブログ」の立ち位置だから。コンサルの心構えについては、ペパチェさんの記事をご覧ください。)

タイプミスは、時間のない中で作業を行ったか、その記述を軽い気持ちで行ったことを示してしまうことが多い。つまり、クライアントを軽視した、と誤解されるもととなる。

また、用法を間違えると、「調べるのを怠った」ということの表れととられてしまうので、これも過小評価の原因になる。「戦略を考えるのに忙しくて辞書を使っている暇などありませんでした」という言い訳は聞いてもらえないと考えたほうがいい。ほんとに戦略を考えて時間がなくなったとしても、その戦略の価値を用法のうっかりミスごときで誤解されるのもどうかと思う。

表現上のささいな問題で、ブランド価値が下がる、ってことは、経営にはよくあることだけど、コンサルタントも同じだ。だから、コンサルタントは、報告書において、誤字やタイプミスを減少させるように努力しなければならないのだろう。コンサルタントとしての自分の価値を、過小評価させないうえで、必要なのだ。また、顧客企業に「このコンサル、大丈夫なのか」という余計な不安を与えない上でも必要なのだ。

私も、実務補習のときとか、報告書を書くときは、十分に気をつけよう、と思った。

おまけですが、「十分」は、「十分に」あるいは、「十分間」と、「に」や「間」をつけたほうが良いみたいです。現場で誤解をうむので。

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言葉や表現がからむ問題だったらアイツにやらせろ、と言っていただけるようになるため修行中です。自己紹介はこちらです。よろしくお願いします。